【日本国内のEV販売】2025年10月のEVシェアは2.7%、トヨタ「bZ4X」が1,106台を販売し40位に

記事公開:2025/11/18

八重さくら

皆さんおはようございます、八重さくらです!
今回は2023年の水準に向けて回復が続く、2025年10月の国内のEV販売状況を解説します!

※この記事は2025年10月の情報です。最新情報はこちらから:EV販売台数の記事一覧(翌月中旬頃更新)

2025年10月の日本国内における軽自動車を含む乗用車全体の販売台数は、328,349台だった。これは前年同月の2024年10月(337,677台)と比較して2.76%減少した一方、COVID-19の影響を受ける前の2019年10月(259,919台)からは26.33%の大幅な増加となった。

このうちEV(BEV+PHEV)のシェアは2.70%であり、前年同月の2.17%から大幅に増加、10月としては2023年(3.24%)以来の水準まで回復した。内訳として、BEVは1.28%から1.78%、PHEVは0.89%から0.91%に増加した。

メーカー別の販売台数では輸入車の合計が3,150台で、2025年2月以来、9か月連続で最多となった。軽自動車を含むEVの輸入車のシェアは、前年の35.0%から35.5%に微増。ホンダN-ONE e:やトヨタ新型bZ4Xなどの国産EVが増加し、2025年としては1月の22.92%に次ぐ低い水準となった。国内メーカーの最多は2,743台を販売したトヨタで、前月の2位からTOPに返り咲いた。2位は1,141台を販売したホンダで、TOPから2位に下落。3位と4位は905台を販売した日産、870台を販売した三菱が続いている。

燃料別シェアでは引き続きHVが最多の50.1%で、HVを含む電動車全体のシェアは52.9%となった。

日本国内の燃料別販売台数(2025年10月).png
日本国内の燃料別販売台数(2025年10月)(クリックで拡大)

・BEV:5,858台(乗用車全体の 1.78%、前年比 +35.45%)
・PHEV:3,004台(乗用車全体の 0.91%、前年比 ±0.00%)
・EV(プラグイン車合計):8,862台(乗用車全体の 2.70%、前年比 +20.92%)

・FCV:42台(乗用車全体の 0.01%、前年比 -19.23%)
・ZEV合計:8,904台(乗用車全体の 2.71%、前年比 +20.63%)

・HV:164,655台(乗用車全体の 50.15%、前年比 -8.69%)
・電動車合計:173,559台(乗用車全体の 52.86%、前年比 -7.54%)

【本ページに掲載している販売数データのソースについて】
・登録車:一般社団法人日本自動車販売協会連合会(JADA)の燃料別販売台数(乗用車)より
・軽自動車:一般社団法人 全国軽自動車協会連合会の軽四輪車通称名別新車販売確報、及びメディア向け資料より
※シェアは上記の販売台数より独自集計
※特筆なき場合、EVはBEV(バッテリー式の完全電気自動車)とPHEV(プラグインハイブリッド車)を両方を指す

販売台数とシェアの推移

2025年10月のEV販売台数は8,862台で、前年の7,329台からは20.9%の増加となった。2025年としては1月、4月、5月、6月、9月に次ぐ6回目の増加で、通年でも増加の兆しをみせている。

日本国内のEV(BEV+PHEV)販売数.png
日本国内のEV(BEV+PHEV)販売数(クリックで拡大)

同期間のシェアは2.70%で、前年の2.17%からは0.53ポイントの増加となった。販売数とシェアが両方増加した月としては5月、6月、9月に次ぐ4回目で、ともに回復を示している。

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日本国内のEV(BEV+PHEV)シェア(クリックで拡大)

月推移では最多を記録した2023年から2024年にかけて大きく減少した一方、2025年は増加の兆しを見せている。

日本国内のEV(BEV+PHEV)販売数 と シェア(月推移).png
日本国内のEV(BEV+PHEV)販売数とシェアの推移(クリックで拡大)

メーカーと車種

メーカー別EV(BEV+PHEV)販売台数(2025年10月).png
メーカー別EV(BEV+PHEV)販売台数(2025年10月)(クリックで拡大)

10月のメーカー別台数は、輸入車の合計が3,150台と9か月連続で​​​​​​最多となり、うちBEVは2,561台を販売した。乗用車全体に占める輸入車のシェアは8.48%である一方、登録車のBEVに限定すると65.53%を占めた。前年の70.76%や過去最多を記録した前月の90.77%からは減少した一方で、引き続きEV専業メーカーのテスラやBYDなど輸入車が大半を占めた。一方でホンダ「N-ONE e:」の発売に加えトヨタの新型「bZ4X」も登録が開始、今後は新型「日産リーフ」やスズキ「eビターラ」などの発売による増加に注目だ。

国内メーカーのトップは2,743台を販売したトヨタで、前年の1,734台からは58.2%の大幅な増加となった。このうち「プリウス」「ハリアー」「RAV4」などの登録車のPHEVが前年の1,612台から1,622台に微増。さらにJADAの乗用車ブランド通称名別順位より「bZ4X」が1,106台(40位)と公開されていて、レクサス「RZ450e」「UX300e」など他の登録車のBEVは15台、合計で1,121台の販売で、前年の114台から大幅に増加した。なお、この「bZ4X」は新型の発売に伴う試乗車の登録が多数含まれていると思われる。

国内メーカーの2位は1,141台を販売したホンダで、前月に続き全1,141台が「N-ONE e:」となった。前年比では4台から284倍以上の増加で、同社として過去最多だった2020年11月の180台と比べても、6倍以上の増加となった。

国内メーカーの3位は905台を販売した日産で、前年の2,064台からは56.2%の減少となった。車種別では軽自動車の「日産サクラ」が前年の1,448台から704台に、登録車の「日産リーフ」と「日産アリア」の合計は616台から201台に減少した。

このほかTOP3には入らなかったものの、4位の三菱は前年の823台から870台に5.7%増加した。うち765台が登録車の「アウトランダーPHEV」と「エクリプスクロス」のPHEVモデルで、105台が「eKクロスEV」と公開されている。

また、輸入車の3,150台のうち、JAIA(日本自動車輸入組合)の「2025年10月度輸入車新規登録台数(速報)」によると普通乗用車のOthersは1,118台(前年の340台から大幅に増加)で、ほぼ全数がテスラと思われる。また、電動車専業メーカーのHyundaiは前年の32台から123台(うち68台が「小型」のINSTER)に増加し、このほかバスを4台販売。BYDは前年の146台から過去最多の317台に増加、このほかバスを4台販売した。

おわりに

今月は東京ビックサイトにて2年に1度のJapan Mobilty Show 2025が開催され、多くのメーカーから新たなEVが発表された。この中でも特に筆者が注目した車種は、なんと言ってもBYDのRACCOだ。

同社はこれまでSUVやセダンのBEVを発売してきたが、いずれもグローバル市場がターゲットであり、日本市場はあくまでその一つだった。ところがRACCOは日本市場専用として一から開発された車種であり、徹底的に日本市場に受け入れられるデザイン、機能を追求している。

軽自動車は日本国内の独自規格のため、これまでは非関税障壁が働き、ほぼ国内メーカーの独壇場となっていた。そこに風穴を開けたのが、BYDのRACCOである。

筆者は5年ほど三菱アイミーブを運用しているが、自宅充電できる郊外の戸建てにおいて、軽EVはこの上ない安価で便利な日常の足になり得る。乗用車の約4割を占める軽自動車市場において、海外メーカーが初めて本気で参入してきた事実は、国内メーカーに対して計り知れないインパクトをもたらすだろう。

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