【日本国内のEV販売】2025年8月のEVシェアは2.6%、登録車の輸入車比率が約9割に

記事公開:2025/9/15

八重さくら

皆さんおはようございます、八重さくらです!
今回は登録車のEVにおける輸入車比率が約8割に達した、2025年8月の国内のEV販売状況を解説します!

※この記事は2025年8月の情報です。最新情報はこちらから:EV販売台数の記事一覧(翌月中旬頃更新)

2025年8月の日本国内における軽自動車を含む乗用車全体の販売台数は、249,328台だった。これは前年同月の2024年8月(271,468台)と比較して8.16%の減少で、COVID-19の影響を受ける前の2019年8月(317,179台)からは21.39%の大幅な減少となった。

このうちEV(BEV+PHEV)のシェアは2.57%であり、前年同月の2.61%からは微減となった。内訳として、BEVは1.63%から1.45%に減少、PHEVは0.98%から1.12%に増加した。

メーカー別の販売台数では、輸入車の合計が2,890台で、6か月連続で最多となった。軽自動車を含むEVの輸入車のシェアは前年の35.2%から45.1%に増加、2025年6月の48.0%に次ぐ水準となった。国内メーカーの最多は1,398台を販売したトヨタ、2位は1,120台を販売した日産、3位は945台を販売した三菱で、いずれも前月の順位を維持した。

燃料別シェアでは引き続きHVが最多の52.2%で、HVを含む電動車全体のシェアは54.8%となった。

日本国内の燃料別販売台数(2025年8月).png
日本国内の燃料別販売台数(2025年8月)(クリックで拡大)

・BEV:3,621台(乗用車全体の 1.45%、前年比 -18.17%)
・PHEV:2,786台(乗用車全体の 1.12%、前年比 +5.25%)
・EV(プラグイン車合計):6,407台(乗用車全体の 2.57%、前年比 -9.40%)

・FCV:24台(乗用車全体の 0.01%、前年比 -33.33%)
・ZEV合計:6,431台(乗用車全体の 2.58%、前年比 -9.52%)

・HV:130,155台(乗用車全体の 52.20%、前年比 -7.48%)
・電動車合計:136,586台(乗用車全体の 54.78%、前年比 -7.58%)

【本ページに掲載している販売数データのソースについて】
・登録車:一般社団法人日本自動車販売協会連合会(JADA)の燃料別販売台数(乗用車)より
・軽自動車:一般社団法人 全国軽自動車協会連合会の軽四輪車通称名別新車販売確報、及びメディア向け資料より
※シェアは上記の販売台数より独自集計
※特筆なき場合、EVはBEV(バッテリー式の完全電気自動車)とPHEV(プラグインハイブリッド車)を両方を指す

販売台数とシェアの推移

2025年8月のEV販売台数は6,407台で、前年の7,072台と比べると9.40%の減少となった。2025年としては2月、3月、7月に続く前年からの減少となり、2022年以降として最も少ない8月となった。

日本国内のEV(BEV+PHEV)販売数.png
日本国内のEV(BEV+PHEV)販売数(クリックで拡大)

同期間のシェアは2.57%で、前年の2.61%からは0.04ポイントの減少となった。2025年としては6ヶ月目の減少で、8月としては販売台数とともに、シェアも2022年以降として最低となった。

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日本国内のEV(BEV+PHEV)シェア(クリックで拡大)

月推移では最多を記録した2023年から2024年にかけて大きく減少した一方、2025年は増加の兆しを見せている。

日本国内のEV(BEV+PHEV)販売数 と シェア(月推移).png
日本国内のEV(BEV+PHEV)販売数とシェアの推移(クリックで拡大)

メーカーと車種

メーカー別EV(BEV+PHEV)販売台数(2025年8月).png
メーカー別EV(BEV+PHEV)販売台数(2025年8月)(クリックで拡大)

8月のメーカー別台数は、輸入車の合計が2,890台と7か月連続で​​​​​​最多となった。乗用車全体に占める輸入車のシェアは8.23%である一方、EVに限定すると45.11%、さらに登録車のBEVに限定すると88.94%を占め、6か月連続で80%を上回った。これは国内メーカーから有力な車種が発売されていないことが大きな要因で、これまで国内のEV販売をけん引してきた日産では間もなく新型が発売される日産リーフ、さらに発売から数年が経過した日産サクラが減少。今後は新型日産リーフやホンダN-ONE e:など、国内メーカーの新型車による増加に注目だ。

国内メーカーのトップは前月に続き1,398台を販売したトヨタで、前年の1,359台からは2.87%増加した。このうちプリウス、ハリアー、RAV4などの登録車のPHEVが前年の1,240台から1,380台に増加した一方、bZ4XやレクサスRZ450e、UX300eなどの登録車BEVは118台から16台に減少した。これは2022年3月(14台)以来の低水準だ。このほか、既に生産が終了したC+Podを2台販売した。

国内メーカーの2位も前月に続き1,120台を販売した日産で、前年の2,163台からは48.22%の減少となった。車種別では軽自動車の「日産サクラ」が前年の1,530台から860台に、登録車の「日産リーフ」と「日産アリア」の合計は633台から260台に減少した。

国内メーカーの3位も前月に続き945台を販売した三菱で、前年の1,007台からは6.16%の減少となった。このうち軽自動車の「三菱eKクロスEV」は前年の212台から103台に減少した一方、登録車のPHEVは795から842台に増加。このうち「アウトランダーPHEV」はJADAの乗用車ブランド通称名別順位より534台(50位)と公開されていて、「エクリプスクロス」のPHEVモデルは308台と予想される。

また、輸入車の2,890台のうち、JAIA(日本自動車輸入組合)の「2025年8月度輸入車新規登録台数(速報)」によると普通乗用車のOthersは983台(前年の462台から増加)で、ほぼ全数がテスラと思われる。また、電動車専業メーカーのHyundaiは前年の46台から75台(うち61台が「小型」のINSTER)に増加し、このほかバスを5台販売。BYDは前年の298台から239台に減少した。

おわりに

8月のトップニュースはなんと言っても、テスラが日本国内で監視付きFSD(完全自動運転)の試験を開始したことだ。

日経が8/19に報道、続いてテスラジャパンが8/20に上記の動画を公開。動画では横浜みなとみらいの周辺を、運転手の介入なしで自動的に走行する様子が映されている。これまでも英国やオーストラリアなどの右ハンドル市場でFSDを試験する様子が公開されていたが、日本特有の矢印信号にも対応できていることから、日本固有のデータを使ったAIのトレーニングに着手したと考えられる。

世界では自動運転への取り組みが加速する一方で、SNSでは未だにEVや再エネに対するデマが過熱している。釧路湿原のメガソーラーに端を発した再エネ叩きは、あたかも太陽光パネルが猛暑の原因かのようなデマまで拡散している。

言うまでもなく、地球温暖化(気候変動)の原因は化石燃料の燃料に伴うCO2など、温室効果ガスの増加が主因とされている。世界の科学者のコンセンサスを無視して、排出を大きく削減する再エネを批判する論調に対し、大きな危機感を抱かざるをえない。

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