【日本国内のEV販売】2025年9月のEVシェアは3.5%、N-ONE e:と輸入EVで23年9月以来の高水準に

記事公開:2025/10/14

八重さくら

皆さんおはようございます、八重さくらです!
今回は登録車のEVにおける輸入車比率が9割を超えた、2025年9月の国内のEV販売状況を解説します!

※この記事は2025年9月の情報です。最新情報はこちらから:EV販売台数の記事一覧(翌月中旬頃更新)

2025年9月の日本国内における軽自動車を含む乗用車全体の販売台数は、357,461台だった。これは前年同月の2024年9月(366,212台)と比較して2.39%の減少で、COVID-19の影響を受ける前の2019年9月(458,856台)からは22.10%の大幅な減少となった。

このうちEV(BEV+PHEV)のシェアは3.51%であり、前年同月の2.62%からは大幅に増加、2023年9月の4.04%以来の水準まで回復した。内訳として、BEVは1.76%から2.38%に、PHEVは0.86%から1.12%に増加した。

メーカー別の販売台数では、輸入車の合計が4,909台で、8か月連続で最多となった。軽自動車を含むEVの輸入車のシェアは前年の37.5%から39.1%に増加し、約4割を維持。国内メーカーの最多は2,508台を販売したホンダで、N-ONE e:の発売で一気に増加。2位は2,024台を販売したトヨタで、前月のTOPから2位に下落。3位は1,752台を販売した日産で、前月の2位から下落した。

燃料別シェアでは引き続きHVが最多の50.3%で、HVを含む電動車全体のシェアは53.8%となった。

日本国内の燃料別販売台数(2025年9月).png
日本国内の燃料別販売台数(2025年9月)(クリックで拡大)

・BEV:8,524台(乗用車全体の 2.38%、前年比 +32.59%)
・PHEV:4,018台(乗用車全体の 1.12%、前年比 +26.91%)
・EV(プラグイン車合計):12,542台(乗用車全体の 3.51%、前年比 +30.71%)

・FCV:38台(乗用車全体の 0.01%、前年比 -33.33%)
・ZEV合計:12,580台(乗用車全体の 3.52%、前年比 +30.34%)

・HV:179,826台(乗用車全体の 50.31%、前年比 -6.02%)
・電動車合計:192,406台(乗用車全体の 53.83%、前年比 -4.28%)

【本ページに掲載している販売数データのソースについて】
・登録車:一般社団法人日本自動車販売協会連合会(JADA)の燃料別販売台数(乗用車)より
・軽自動車:一般社団法人 全国軽自動車協会連合会の軽四輪車通称名別新車販売確報、及びメディア向け資料より
※シェアは上記の販売台数より独自集計
※特筆なき場合、EVはBEV(バッテリー式の完全電気自動車)とPHEV(プラグインハイブリッド車)を両方を指す

販売台数とシェアの推移

2025年9月のEV販売台数は12,542台で、前年の9,595台からは30.7%の増加となった。2025年としては1月、4月、5月、6月に次ぐ5回目の増加で、2023年10月以降として最大の増加率を記録した。

日本国内のEV(BEV+PHEV)販売数.png
日本国内のEV(BEV+PHEV)販売数(クリックで拡大)

同期間のシェアは3.51%で、前年の2.62%からは0.89ポイントの大幅な増加となった。販売数とシェアが両方増加した月としては5月、6月に次ぐ3回目で、新車種の発売による回復を示唆している。

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日本国内のEV(BEV+PHEV)シェア(クリックで拡大)

月推移では最多を記録した2023年から2024年にかけて大きく減少した一方、2025年は増加の兆しを見せている。

日本国内のEV(BEV+PHEV)販売数 と シェア(月推移).png
日本国内のEV(BEV+PHEV)販売数とシェアの推移(クリックで拡大)

メーカーと車種

メーカー別EV(BEV+PHEV)販売台数(2025年9月).png
メーカー別EV(BEV+PHEV)販売台数(2025年9月)(クリックで拡大)

9月のメーカー別台数は、輸入車の合計が4,909台と8か月連続で​​​​​​最多となり、うちBEVは過去最多の4,070台を記録した。乗用車全体に占める輸入車のシェアは10.57%である一方、EVに限定すると39.14%、さらに登録車のBEVに限定すると90.77%を占め、初めて90%を超えた。これはEV専業メーカーのテスラやBYDが過去最多を記録した一方で、依然として有力な国内メーカーの車種が少ないことが大きな要因だ。一方でホンダ「N-ONE e:」の発売に伴い軽EVは回復の兆しを見せていて、今後は新型「日産リーフ」やスズキ「eビターラ」などの発売による、登録車の増加にも注目だ。

国内メーカーのトップは2,508台を販売したホンダで、「N-ONE e:」の発売により一気に前月の6位からトップに躍り出た。内訳としては、全2,508台が「N-ONE e:」だ。前年比では8台から300倍以上の増加で、同社として過去最多だった2020年11月の180台と比べても、10倍以上の増加となった。

国内メーカーの2位は2,024台を販売したトヨタで、前年の1,594台からは27.0%増加した。このうち「プリウス」「ハリアー」「RAV4」などの登録車のPHEVが前年の1,468台から1,964台に増加した一方、「bZ4X」やレクサス「RZ450e」「UX300e」などの登録車BEVは118台から57台に減少。今後は基本性能を大幅に強化した新型「bZ4X」など改良型の発売による増加が見込まれる。このほか、既に生産が終了したC+Podを3台販売した。

国内メーカーの3位は1,752台を販売した日産で、前年の3,326台からは47.3%の減少となった。車種別では軽自動車の「日産サクラ」が前年の2,485台から1,432台に、登録車の「日産リーフ」と「日産アリア」の合計は841台から320台に減少した。

このほかトップ3には入らなかったものの、4位の三菱は前年の957台から1,274台に33.1%増加した。うち791台がアウトランダーと公開されていて、残りの483台がエクリプスクロスのPHEVモデルと推測される。

また、輸入車の4,909台のうち、JAIA(日本自動車輸入組合)の「2025年9月度輸入車新規登録台数(速報)」によると普通乗用車のOthersは過去最多の1,470台(前年の528台から増加)で、ほぼ全数がテスラと思われる。また、電動車専業メーカーのHyundaiは前年の58台から106台(うち42台が「小型」のINSTER)に増加し、このほかバスを5台販売。BYDは前年の257台から過去最多の799台に増加、このほかバスを3台販売した。

おわりに

8月のレポートでお伝えした通り、テスラが日本国内で監視付きFSD(完全自動運転)の試験を開始した。

一方で、名称に「監視付き」とあるように、現時点では必ずしも完璧に動作する訳ではない。米国で監視付きFSDを使い大陸横断を試みたインフルエンサーが事故に遭遇した様子が、大きな注目を集めた。

とはいえ、これは監視不要の自動運転ができないことを示すものではない。同社は10月にメジャーアップデートされた監視付きFSD V14.1をリリース、HW4専用でパラメータ数が大きく増加、性能が向上している。V13までは十分に対応できていなかった駐車場内での移動や駐停車を含め、文字通りボタン一つだけでステアリングやペダルに触れることなく、多くの場合でドアtoドアを移動可能となっている。

以下のスレッドに数十本の動画をまとめているので、Xで開いてご覧いただきたい。

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