【日本国内のEV販売】2025年5月のEVシェアは2.6%、18か月ぶりにシェア・販売数ともに増加!

記事公開:2025/6/15

八重さくら

皆さんおはようございます、八重さくらです!
今回はシェア・販売数ともに増加に転じた2025年5月の国内のEV販売状況を解説します!

※この記事は2025年5月の情報です。最新情報はこちらから:EV販売台数の記事一覧(翌月中旬頃更新)

2025年5月の日本国内における軽自動車を含む乗用車全体の販売台数は、269,489台だった。これは前年同月の2024年5月(261,327台)と比較して3.1%増加したものの、COVID-19の影響を受ける前の2019年5月(327,418台)からは17.7%の減少となった。

このうちEV(BEV+PHEV)のシェアは2.6%であり、前年同月の2.4%からは+0.2ポイントと、2024年3月以来、14か月ぶりの前年からの増加となった。内訳として、BEVは1.5%から1.4%に減少し、PHEVは1.0%から1.2%に増加した。

メーカー別の販売台数では、輸入車の合計が3,098台で4か月連続で最多となり、軽自動車を含むEVの輸入車のシェアは過去最高の44.72%を記録した。国内メーカーの最多は1,619台を販売したトヨタ、2位は1,219台を販売した日産、3位は933台を販売した三菱で、いずれも前月の順位を維持した。

燃料別シェアでは引き続きHVが最多の52.3%で、HVを含む電動車全体のシェアは54.9%となった。

日本国内の燃料別販売台数(2025年5月).png
日本国内の燃料別販売台数(2025年5月)(クリックで拡大)

・BEV:3,791台(乗用車全体の 1.41%、前年比 -0.11%)
・PHEV:3,137台(乗用車全体の 1.16%、前年比 +25.23%)
・EV(プラグイン車合計):6,928台(乗用車全体の 2.57%、前年比 +9.97%)

・FCV:33台(乗用車全体の 0.01%、前年比 -31.25%)
・ZEV合計:6,961台(乗用車全体の 2.58%、前年比 +9.66%)

・HV:140,872台(乗用車全体の 52.27%、前年比 +0.19%)
・電動車合計:147,833台(乗用車全体の 54.86%、前年比 +0.60%)

【本ページに掲載している販売数データのソースについて】
・登録車:一般社団法人日本自動車販売協会連合会(JADA)の燃料別販売台数(乗用車)より
・軽自動車:一般社団法人 全国軽自動車協会連合会の軽四輪車通称名別新車販売確報、及びメディア向け資料より
※シェアは上記の販売台数より独自集計
※特筆なき場合、EVはBEV(バッテリー式の完全電気自動車)とPHEV(プラグインハイブリッド車)を両方を指す

販売台数とシェアの推移

2025年5月のEV販売台数は6,928台で、前年の6,300台と比べると9.97%の増加となった。2025年としては1月と4月に続く3回目の増加となり、2024年の12か月連続の減少に歯止めがかかっている。

日本国内のEV(BEV+PHEV)販売数.png
日本国内のEV(BEV+PHEV)販売数(クリックで拡大)

同期間のシェアは2.57%で、前年の2.41%からは0.16ポイントの増加となった。2025年4月まで13か月連続で減少が続いたが、2024年3月以来、14か月ぶりに増加に転じた。

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日本国内のEV(BEV+PHEV)シェア(クリックで拡大)

月推移では最多を記録した2023年から2024年にかけて大きく減少、2025年は概ね停滞が続いている。

日本国内のEV(BEV+PHEV)販売数 と シェア(月推移).png
日本国内のEV(BEV+PHEV)販売数とシェアの推移(クリックで拡大)

メーカーと車種

メーカー別EV(BEV+PHEV)販売台数(2025年5月).png
メーカー別EV(BEV+PHEV)販売台数(2025年5月)(クリックで拡大)

5月のメーカー別台数は、輸入車の合計が3,098台と4か月連続で​​​​​​最多となった。登録車のBEVに占める輸入車のシェアは4月の83.51%を上回る84.27%となり、引き続き2024年12月の85.32%に次ぐ記録で、2025年としての最多を更新した。また、PHEVや軽自動車を含むEV全体でのシェアは44.72%で、2024年12月の44.36%を上回り、過去最高となった。

国内メーカーのトップは前月に続き1,619台を販売したトヨタで、前年の1,325台からは22.19%増加した。このうちプリウス、ハリアー、RAV4などの登録車のPHEVが前年の1,284台から1,616台に増加した一方、bZ4XやレクサスRZ450e、UX300eなどの登録車BEVが142台から64台に減少した。

国内メーカーの2位も前月に続き1,219台を販売した日産で、前年の1,942台からは37.23%の減少となった。車種別では軽自動車の「日産サクラ」が前年の1,517台から858台に、登録車の「日産リーフ」と「日産アリア」の合計は425台から361台に減少した。

国内メーカーの3位も前月に続き933台を販売した三菱で、前年の754台からは23.74%の増加となった。このうち軽自動車の「三菱eKクロスEV」は前年の153台から82台に減少、登録車のPHEVは601から851台に増加。このうち「アウトランダーPHEV」はJADAの乗用車ブランド通称名別順位より594台(50位)と公開されていて、「エクリプスクロス」のPHEVモデルは257台と推測される。

また、輸入車の3,098台のうち、JAIA(日本自動車輸入組合)の「2025年5月度輸入車新規登録台数(速報)」によると普通乗用車のOthersは706台(前年の450台から増加)で、ほぼ全数がテスラと思われる。また、電動車専業メーカーのHyundaiは前年の23台から94台(うち57台が「小型」のINSTER)に、BYDは90台から過去最多の416台に増加し、輸入乗用車全体のTOP10入りを果たした。

おわりに

本記事では電動化に主眼を置いているが、これあくまで序章。次の大きな波として、自動化が控えている。

世界では米Waymoなどが既に自動運転ロボタクシーの商用運転を開始しているが、これらのロボタクシーは高価なセンサーやコンピュータを搭載し、車両価格が高くなる傾向にある。

一方で、テスラはこれに対し、安価なカメラと自社製の自動運転チップ、そして高度にトレーニングされたAIのみを使い、現在市販されている量販車で完全自動運転を実現することを目指している。

同社はこれまでも量産車を使用した完全自動運転やロボタクシーを予告してきたが、その実現は幾度と延期されてきた。現在は6月のロボタクシーのサービス開始を目指しており、仮に予定通り実現して今後も拡大が進めば、移動への大きな革命となるだろう。

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