【WE❤EV】国内のEVが一挙集結!EVの可能性を感じられたイベント!!

記事作成:2020/11/19

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皆さんおはようございます、八重さくらです!

今回は国内のEVが一挙集結した「Japan EV Meetup WE❤EV」の記録をお届けします!

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2020年11月15日(日)、「Japan EV Meetup WE❤EV」なるEVのイベントが富士山の麓にある「あさぎりフードパーク」にて行われた。私の事務所もモデルXで参加し、大盛況に終わった本イベントの注目ポイントと参加レポートをお届けする。

1. イベントの最大の目的とは...?

今回のイベントは当然ながら「EVオーナー同士の交流」も目的の一つであるが、実はこれは最大の目的ではない。EVには色々なメリットがあるが、多くのドライバーはまだEVを所有したことがなく、EVに触れたり知識を得る機会も少ない。そこでEVオーナーやメーカーが協力し「非EVオーナーにEVのメリットや愉しさを知ってもらおう」というのが今回のイベントの最大の目的だ。

このために複数の自動車メーカーからの協力を得て、国内で販売されているほぼすべてのEV(全11車種)を並べて展示したり、一部の車種の試乗も行われた。EV関連のイベントは国内でもいくつか存在するが、個人が主催しているイベントとしては最大規模となっただろう。

実際に試乗ブースを覗いてみると順番待ちの行列ができていて、活況を呈していた。待っている方の話しを聞くと、事前にチケットを購入して来ている人だけでなく「たまたまイベントののぼりを見て立ち寄った」という人も。この様子を見る限り、イベントの目的は十分に達成できたはずだ。

当日展示された国内で市販されているEV
当日展示された国内で市販されているEVたち

参考:【総まとめ】2020年~2021年に買える電気自動車を徹底比較

2. EVのミライを担う協賛企業

今回のイベントはEVオーナーが主催したものだが、自動車メーカーだけでなくEVや環境保護に理解のある多くの企業が協賛として参加している。ここではこれらの協賛企業の中から、私がビビっと来たEV関連企業を勝手にいくつかピックアップして紹介する。

①ハナダ電機技術工業

私の事務所と同じ千葉県木更津市で「オーガニックとは”人との繋がりをいかす事”」をコンセプトに「エネルギーの自産自消」を推進、電力会社に頼らない災害に強いエネルギーシステムを提案している。

2020年6月には木更津市、および日産自動車と共同で、千葉県で初めて「電気自動車(EV)を活用したまちづくり連携協定」を締結し、EVに搭載されている大きな蓄電池を有効活用した取り組みを進めている。

参考:木更津市、日産自動車、ハナダ電機技術工業、「電気自動車を活用したまちづくり連携協定」を締結
SNS:TwitterFacebook

②Looopでんき

2011年の東日本大震災での被災地支援をきっかけに誕生した新電力会社で、従来の電力会社では基本料金が高額になりがちなEVを自宅充電するオーナーに嬉しい基本料金無料の料金プランを採用している。

さらに様々な割引プランを用意しており、「EVを所有して自宅で充電する場合」や「太陽光発電した電力をLooopでんきに売電する場合」はそれぞれ1kWhあたり1円引きに。私の事務所でも使用しており、以前の記事でどれくらい安くなるかを試算しているので、以下を参考にしてほしい。

参考:【EVオーナーは電気代が安くなる!】「looopでんき+EV割」のオンライン受付が開始!
WEB:Looopでんき公式サイト

③EVsmart

EV乗りには必須の充電スポットを検索するための無料アプリ「EVsmart」を提供している。

アプリでは充電スポットの検索だけでなく充電を考慮したルート検索も可能で、車種(航続距離)や季節、走り方に合わせた充電場所や充電時間を調べることができる。

WEB:EVsmart
アプリ:GooglePlayAppStore

④トモシエ

国内で数少ないソーラーカーポートの施工を専門とし、駐車スペースを有効活用した太陽光発電を可能にしている。

ソーラーカーポートだけでなく建物の屋根への設置に加えてEV充電器やV2Hも取り扱っており、EVと組み合わせることでエネルギーを自給自足でき、災害に強いライフスタイルを提案している。

WEB:トモシエ公式サイト

⑤HW ELECTRO

2021年に小型EVトラックの発売を予定しており、軽自動車より一回り大きいサイズで100km~200km程度の近距離の貨物配送に特化した低価格なEVとなる見込みだ。

今回発売する小型EVトラックは中国CenntroAutoが開発・製造(最終組立のみ国内で実施)しており、いよいよ中国製のEVが国内で一般向けに発売されることになる。事業用では既に中国BYD製のEVバスが国内を35台以上走っており、2020年末までに累計50台以上に増える予定だ。未だにEVに消極的な国内メーカーは、今後EVで台頭する米中メーカーに対してスピード感を持って対応する必要があるだろう。

WEB:HW ELECTRO公式サイト

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HW ELECTRO ELEMO120/ELEMO200

参考:上野動物園にBYDの電気自動車小型バス『J6』が国内初導入〜突撃試乗レポート

3. モデルXでの往復400kmの旅とEVの現状

事務所のある千葉県木更津市からイベント会場のあさぎりフードパークまで、往復で約400kmの旅となった。テスラ車は比較的航続距離が長いが、私の事務所で採用しているモデルX 75Dは国内で販売されたテスラ車としては一番航続距離が短いモデル。一番電費が良く航続距離が延びる春や秋であれば充電なしで往復できる距離だが、果たして今回は・・・?

①往路(千葉県木更津市~あさぎりフードパーク)

往路は中央自動車道経由で約185km、目的地までに標高を850mほど上げることになる。EVは100km/hを超えると電費が著しく落ちるため今回はスピードを90km/hに抑えたが、電費は217Wh/km(4.6km/kWh)とあまり振るわず。事務所を出る際は100%の満充電で出発したが、約40kWh(58%分)を消費して到着時は42%に。標高が上がったため往路だけで半分以上を消費してしまったが、その分復路の電費は良くなるはずだ。

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②復路1(あさぎりフードパーク~東名高速 鮎沢PA)

帰りは東名高速を使用したが、40kmもの大渋滞を回避するために鮎沢PAで休憩を取ることに。この間の標高は287mの下りのため、電費は往路とは打って変わって120Wh/km(8.33km/kWh)を記録。41%で出発して12%を消費、29%で到着できた。この調子なら充電なしで帰れそうだ。

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③復路2(東名高速 鮎沢PA~テスラ横浜SC)

ここで事務所のスタッフが大ポカをやらかしてしまった。なんと休憩中に暖房を付けたまま、約5時間も爆睡してしまったのである。EVで暖房を使えば、その分バッテリーの残量が減る。到着時に29%残っていた残量が、出発時には22%に減ってしまった。残念ながらこのままでは事務所までたどり着けない可能性が高いため、仕方なく途中のテスラ横浜SCに寄って充電することに。

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④テスラ横浜SCで充電

残量10%で横浜SCに到着し、充電を開始。本来であればナビにSCを設定すると到着前にバッテリーを温めてくれるが、今回はなぜかこの機能が作動せず、充電速度が上がるまで3分ほどかかってしまった。

その後は順調に最大出力に近づき、充電開始から5分、容量20%あたりで最高出力の114kWに到達。そこからは徐々に下がり、50%で75kW程度まで下がった段階で充電を終えた。これだけあれば余裕を持って事務所までたどり着けるはずだ。

なお、10%から50%の40%分(約150km走行分)の充電の所要時間は約15分だったが、現在製造されている車両の新型バッテリーであれば10分程度の充電で同程度の走行距離を確保できるだろう。

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⑤復路3(テスラ横浜SC~千葉県木更津市)

いよいよラストスパート、アクアラインを渡り事務所のある千葉県木更津市へ。アクアライン以外は一般道を使用して電費は175Wh/km(5.7km/kWh)、残量34%を残して事務所に到着。

全行程のバッテリー使用量は98%であり、もし鮎沢PAでの浪費がなければギリギリ往復できる計算となった。全くもって無能な事務所のスタッフである。

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⑥充電環境の現状

今回の旅の記録を見れば「充電インフラさえあれば」EVでもガソリン車と同じように困ること無く長距離を移動できることがわかる。が、残念ながら現在は「十分な充電インフラがある」とは言えない。というのも、国内の多くの急速充電器は出力が50kW程度(最速でも90kW)に留まるが、海外では250kW~350kWの急速充電器が当たり前になりつつある。

ただ、幸い国内でも明るい兆しはある。これまで「自動車メーカー」が主体だった充電インフラ運営管理の最大手「NCS」が新しく「電力会社」主体の「e-Mobilty Power」に変わり、新政権により2050年のカーボン・ニュートラル宣言が出され、EVの推進が明言された。

車両側も日産アリアが130kW急速充電に対応することが発表され、今後インフラが整えば国内メーカー・海外メーカー問わず自ずと100kW超に対応した車両が増えることが予想される。対応車両と充電インフラが「追いつき追い越せ」で増えていくことで、日に日に理想的な充電環境に近づくだろう。

4. おわりに

日本は世界で最初の量産EVを送り出したにも関わらず、色々な理由により多くの先進国と比べて普及が遅れている。これまで約10年間にわたり日産や三菱、そして海外からはテスラのようなメーカーが中心となって、充電インフラの整備をはじめ普及に尽力してきた。そんな「メーカー主体」だった状況が、今回の「EVオーナー主体」のイベントによって確かな変化を感じられた。

今回のイベントでは個人のEVオーナーがEVを広める目的を持ってイベントを主催し、そして大成功を納めた。主催者のHAMMER氏、並びにイベント運営スタッフのような熱い志しを持つEVオーナーが居れば、これまでに無い速さでEVが普及する日も近いかもしれない。

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JAPAN EV MEETUPを成功に導いた立役者たち

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最後までご覧いただきありがとうございました!
今後も機会がありましたら積極的にイベントを取材したいと思います!

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