電気自動車の充電時間は長い?オーナーしか知らない真実を大公開!
皆さんおはようございます、八重さくらです!
今回はオーナーしか知らない、電気自動車の航続距離や充電時間について徹底解説します!
電気自動車は航続距離が短く充電時間が長いと聞くけれど・・・
この記事を見ているということは、多少なりとも「電気自動車に興味がある」ということだろう。
電気自動車のメリットは多く、例えば静かで振動が少なく疲れにくいこと、トルクがありダイレクトな加速で走りが楽しいこと、メンテナンスが楽で維持費(長期の保有コスト)が安いことなど、挙げればキリがない。
とは言っても、どんなに多くのメリットがあっても航続距離や充電時間に不安があると、なかなか購入に踏み切れないもの。
もしドライブ中に電欠して動けなくなったり充電で数十分も足止めされてしまったら、せっかくの楽しいドライブが台無しになってしまう。
「高い買い物で失敗したくない・・・」と考えるのは当然だろう。
しかし、実は筆者を含む多くの電気自動車オーナーは充電時間をほぼゼロにする方法を実践しており、充電で足止めされることなく電気自動車を使っている。
残念ながらすべての人が実践できるわけではないが、本記事ではその具体的な方法とこの方法を実践できる人とできない人について解説する。
1. 実際の航続距離はどのくらい?
近年国内で発売された自動車の航続距離(カタログ値)は「WLTC」と呼ばれる基準で計測していて、従来のガソリン車やハイブリッド車ではカタログ値より短くなる傾向があったが、電気自動車の場合は季節や天候、さらに走り方によって大きく左右される。
例えばエンジンの排熱が発生しない電気自動車で冬に暖房を使う場合、バッテリーの電力を使って空気を暖める必要があるため、その分だけ航続距離が短くなる。
そして逆にエアコンを使用しない春・秋に流れの良い一般道を走ると、カタログ値よりも航続距離が伸びることも珍しくない。
筆者の経験による条件別の航続距離の体感値は以下のとおりだ。(カタログ値との比較)
春・秋 | 夏 | 冬 | |
---|---|---|---|
流れの良い一般道 | +1~3割 | カタログ値通り | -1~2割 |
混雑した都市部 | カタログ値通り | -1~2割 | -2~3割 |
流れの速い高速道路 | -0~1割 | -1~2割 | -2~3割 |
これを国内で販売されている標準的な航続距離をもつ電気自動車である日産リーフe+やテスラモデル3スタンダードレンジ+の航続距離(約450km)に当てはめた場合、以下のようになる。
春・秋 | 夏 | 冬 | |
---|---|---|---|
流れの良い一般道 | 約500km | 約450km | 約360km |
混雑した都市部 | 約450km | 約360km | 約315km |
流れの速い高速道路 | 約400km | 約360km | 約315km |
また、国内で最長の航続距離をもつテスラモデルSロングレンジの航続距離(約610km)に当てはめた場合は以下のとおり。
春・秋 | 夏 | 冬 | |
---|---|---|---|
流れの良い一般道 | 約670km | 約610km | 約490km |
混雑した都市部 | 約610km | 約490km | 約430km |
流れの速い高速道路 | 約550km | 約490km | 約430km |
このようにカタログ値と比べると大きく差が出ていて、航続距離が最も長くなる場合と最も短くなる場合で比べると、条件によって1.5倍ほどの差があることがわかる。
ただ、上記のような車種であれば一番条件が厳しい冬でも300km~400kmは走ることができ、ほとんどの場合、日常的な使い方では途中で充電する必要はないだろう。
なお、季節や天候による影響は「バッテリーが小さい(航続距離が短い)電気自動車」ほど影響が出やすい傾向があり、例えば航続距離が100km程度の三菱アイミーブで暖房を使い混雑した都市部を走行した場合、航続距離が半分程度まで落ちることもある。
電気自動車を選ぶときはこれらの要素を考慮して、多少の余裕をみて車種を決めると良いだろう。
ポイント
- 電気自動車の航続距離は季節や天候、そして走り方に大きく左右され、春・秋の空いている郊外では普通に走るだけでカタログ値を超えることもある。
- 冬の混雑した都市部や流れの速い高速道路ではガソリン車よりも電費が悪化することもあるが、一般的な航続距離をもつ電気自動車であれば、日常的な使い方では途中で充電する必要はほとんどない。
2. 普段の充電時間をゼロにするには?
電気自動車の充電はガソリンスタンドで燃料を補給するガソリン車とは異なり、自宅での充電が基本だ。
多くの電気自動車オーナーは簡単な電気工事により自宅に200Vコンセントを設置しており、寝ている間など車を使わないときに充電することで、普段の充電時間をゼロにしている。
気になるお値段は一般的な戸建てであれば10万円~20万円程度で付けることが可能であり、日産やテスラなど一部のメーカーでは工事費の一部を負担するサービスもあるので上手く使おう。
一方で注意が必要なのはマンションなどの集合住宅や賃貸物件だ。原則として管理組合や大家さんの承認が必要であり、集合住宅では戸建てと比べて工事費が高くなることが多い。
しかし諦めるのはまだ早い。集合住宅に充電設備を設置する場合は国から半額程度の補助金が出るほか、東京都など一部の自治体では更に独自の補助金により、消費税程度の自己負担額で設置できる場合もある。
さらに以下のような集合住宅への充電設備の設置をサポートしている会社もあり、こちらの会社では無償で相談~管理組合や大家さんへの提案も行っている。
※参考:ユアスタンド株式会社
賃貸物件についても以下のような理解のある大家さんが充電設備の設置を協力した例はあり、まずは相談してみると良いだろう。どうしても難しい場合は、充電設備が付いた賃貸物件に引っ越すという方法もある。
※参考:集合住宅へのEV充電器設置事例【4】賃貸マンション駐車場に大家さんと居住者がテスラ用を設置
ポイント
- 電気自動車は自宅での充電が基本で、車を使わない間に充電することで普段の充電時間をゼロに。
- 集合住宅や賃貸物件はサポートしている会社を上手く利用して管理組合や大家さんに相談。
- 充電設備が設置されている賃貸物件もあるので、最終手段として引っ越しを検討。
3. ロングドライブの充電時間をゼロにするには?
自宅で充電することで通勤や買物などの日常的な使用で充電時間がゼロになることはわかったが、週末のお出かけなど、ロングドライブではドライブの途中での充電が必要になる。
ただしここでもガソリン車がガソリンスタンドで燃料を補給するのとは異なり、電気自動車の場合は休憩時間を上手く活用することで、充電時間をゼロにすることが可能だ。
例えば急速充電器が設置されているSA/PA、コンビニ、商業施設などで休憩を取り、休憩している間に充電することで、充電の完了を待つ必要はなくなる。
必要な休憩時間は車種によって異なるが、例えばテスラモデル3ロングレンジであれば30分の休憩で300km走行分を充電できる。
現在市販されている主な車種別の必要な休憩時間(その車種が対応する最も速い急速充電器を利用した場合)は以下のとおりだ。
車種/グレード | 休憩時間 |
---|---|
日産 リーフ S/X/G | 約110km毎に30分以上 |
日産 リーフ e+ X/G | 約150km毎に30分以上 |
三菱 ミニキャブ・ミーブ バン CD 10.5kWh | 約50km毎に15分以上 |
三菱 ミニキャブ・ミーブ バン CD 16.0kWh | 約80km毎に30分以上 |
三菱 アイミーブ X | 約80km毎に30分以上 |
テスラ モデルS ロングレンジ | 約260km毎に30分以上 |
テスラ モデルS パフォーマンス | 約250km毎に30分以上 |
テスラ モデル3 スタンダードレンジ+ | 約240km毎に30分以上 |
テスラ モデル3 ロングレンジAWD | 約300km毎に30分以上 |
テスラ モデル3 パフォーマンスAWD | 約290km毎に30分以上 |
テスラ モデルX ロングレンジ | 約220km毎に30分以上 |
テスラ モデルX パフォーマンス | 約210km毎に30分以上 |
メルセデス・ベンツ EQC EQC400 4MATIC | 約80km毎に30分以上 |
BMW i3 i3/i3 Edition Joy+ | 約140km毎に30分以上 |
VW e-Golf e-Golf Premium | 約100km毎に30分以上 |
ジャガー I-Pace | 約80km毎に30分以上 |
車種の詳細なスペックは以下の記事にまとめてあるので、あわせて参照してほしい。
※関連記事:【総まとめ】2020年~2021年に買える電気自動車を徹底比較
ポイント
- ロングドライブの充電は休憩時間を利用することで、充電時間をゼロにできる。
- 必要な休憩時間は車種や急速充電器の出力によって異なり、最も充電が速いテスラモデル3で最速の急速充電器を利用した場合は、300km毎に30分以上の休憩をとれば充電時間がゼロになる。
4. まとめ
以上のように、多くの人は「自分の乗り方にあった車種を選び適切な使い方で使う」ことで充電時間をゼロにできることがわかった。
もう一度充電時間をゼロにできる人とできない人の条件をおさらいすると、以下のとおりとなる。
充電時間をゼロにできる人
- 自宅に充電設備(200Vコンセント)を付けられる人、かつ
- ロングドライブする際にある程度(車種にもよるが、最低300km毎に30分)の休憩をとる人
充電時間をゼロにできない人
- 自宅に充電設備を付けられない人、または
- ロングドライブする際にほとんど(300km毎に30分)休憩をとらない人
ただし電気自動車を取り巻く環境やインフラ整備、そしてバッテリー技術などは日進月歩で変化しており、現時点で充電時間をゼロにできない人でも1年後には状況が変わっている可能性もある。
※参考:イーモビリティパワーがABBの高出力急速充電器で電気自動車充電インフラ最新化へ
また地方部を中心にガソリンスタンドが年々減り続けており、多少充電に時間がかかってもガソリンスタンドを往復するよりは短時間で済むようになる地域も増え続けている。
いずれにしても現時点の情報だけで「電気自動車は駄目だ」と決めつけず、常に最新の情報を入手して検討を続けることが最も重要である。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
少しでも皆さまの電気自動車の知識を増やすお役に立てたなら幸いです!