充電インフラの理想形?「Bell Chargeつくば」で最新の充電器を体験!さらに持ち運びできる急速充電も!?

公開日:2022/08/25

喜び006_丸.jpg

皆さんおはようございます、八重さくらです!
今回はBell Enegyがつくばにオープンした最新の充電施設を体験してみました!

2022/8/8にオープンした「Bell Chargeつくば」
2022/8/8にオープンした「Bell Chargeつくば」(筆者撮影)

1.頭を悩ませる公共充電器の課題

 私の事務所が2018年に最初のEVであるテスラ モデルXを購入してから、まもなく4年間。実はこの間、公共の充電器を使うにあたり、ずっと頭を悩ませてきた問題がある。ズバリ「充電カードの発行や会員登録、認証システムの煩雑さ、料金の不公平感」だ。

 例えばテスラが自社の車両向けに設置しているスーパーチャージャー(急速充電器)やディスティネーションチャージャー(普通充電器)であれば会員登録は不要で、コネクタを挿すだけで自動的に認証し、充電が開始される。充電器の運営もすべて1社で完結しているため、当然ながら利用料金も統一されている。

※2022/8現在、国内のディスティネーションチャージャーでは課金の仕組みは提供されておらず、無料で利用可能。

 一方で国内の大半の普通・急速充電器はe-Mobility Power(旧NCS)の認証システムを使っているが、使用するためには予め会員登録して(使わない月でも)月額費用を支払うか、非会員(ビジター)として毎回スマホを使った面倒な認証が必要となる。会員登録する場合はe-Mobility Power公式の他、各自動車メーカーが提供するプランがあるが、利用できる車のメーカーや料金体系がバラバラでお世辞にも分かりやすいとはいえず、同じサービスを受けるにも関わらず料金が異なったり、一部のメーカーが提供するプランでは自社の車が優遇されないなど、不公平感も否めない。

関連記事:テスラ乗りにおすすめの充電カードは日産のZESP3!【NCS公式カードと徹底比較】

 

2.これらの課題を解決するBell Energy社の充電器

 そこで満を持して登場したのが、Bell Energy株式会社が販売するクレジットカード決済機能付きの充電器「Bee Meter VPOS Touch」だ。面倒な会員登録や月額の課金、さらにスマホによる毎回の認証も不要で、クレジットカードさえあればいつでも充電が可能となる。今回は2022/8/8に同社が茨城県つくば市にオープンした「Bell Chargeつくばスポット」にお伺いて、実際にこの充電器を使ってみた。

モデルXをBell Chargeつくばスポットで充電(筆者撮影)
モデルXをBell Chargeつくばスポットで充電(筆者撮影)

 まずは通常の普通充電器と同様、J1772コネクタを車両の充電ポートに接続。次に充電する時間(料金)を決めるが、Bell Chargeつくばの場合は以下から選択できる。(料金は設置する事業者が設定できる)

  • 60分:300円(6kWh≒50円/kWh)
  • 180分:800円(18kWh≒44円/kWh)
  • 480分:2,000円(48kWh≒42円/kWh)
  • 720分:2,500円(72kWh≒35円/kWh)

 時間を選択したらクレジットカードで決済したら充電が開始する。タッチ決済に対応していればタッチするだけで完了するほか、通常のクレジットカードでも以下のようにICカード読み取り部に挿す、もしくは磁気部分をスワイプするだけで完了する。

クレジットカードで決済する様子
クレジットカードで決済する様子(筆者撮影)

 そしてなんと言っても、国内で一般的な3kWではなく最大6kWに対応している点が嬉しい。例えば6kWで720分充電した場合は72kWh充電できる計算となり、100kWh程度の大容量電池を搭載したEVでも一晩で満充電に近い容量まで充電が可能だ。今回の場合はkWh単価に換算すると約35円~となる計算で、(施設により異なるが)一般的な電気料金と比べても何倍も高くなるということはない。

 もし今後ホテルや長時間滞在するような商業施設にこのような普通充電器が確実に整備されれば、利便性が上がるだけでなく、高価でなかなか設置が進まない急速充電器への依存も減る。急速充電器はあくまで遠出時に足りない分を継ぎ足すためのものであり、本来のEVの正しい使い方が可能となるのだ。

 ただし一点だけ歯がゆいのは、事前に時間を選択しなければならない点だ。普通充電には数時間を要するが、予定より早く用事が終わったり、逆に出発時間が延びることは珍しくない。最初に選択した時間を途中で切り上げれば損してしまうし、出発ギリギリまで充電したい場合はもう一度充電開始の操作が必要になってしまう。クレジットカード決済は与信が関係するため簡単ではないかもしれないが、例えば多めに与信を取っておき、終了時に実際に充電した時間に応じて請求金額を変更するなど、今後の改善に期待したい。

 

3.運用コストを削減可能な急速充電器

 同社は普通充電器に加えて運用コストを削減できる蓄電池内蔵型の急速充電器「Boost Charger」も販売しており、高価なキュービクルや高圧受電契約が不要な低圧受電(200V/50kW未満)を採用しながら、最大90kW(2台同時の場合は75kWずつで150kW)出力が可能という。

※テスラ車の場合はCHAdeMOアダプターの仕様により、最大50kW(125A)に制限される。

 内蔵している蓄電池は合計160kWhと大容量であり、例えば50kWの電力契約であれば約4時間にわたり最大出力の90kWを維持できる計算だ。仮に1台30分(45kWhの充電量)とすると連続で8台を充電可能となる計算だが、実際は30分ずっと最大出力が維持されるEVは少ないため、より多くの車が充電できるはずだ。筆者の感覚では大半の急速充電器は混み合う時間帯は1日のうち昼頃や夕方などの一部の時間帯に限定されており、必要十分な性能と考えられる。

蓄電池を内蔵した急速充電器(筆者撮影)
蓄電池を内蔵した急速充電器(筆者撮影)

 同充電器はBell Chargeつくばにも設置されており、今回は決済システムの準備中のため使用できなかったが、近日中に稼働開始する予定としている。もちろんこちらも普通充電器と同じく会員登録は不要で、クレジットカードだけで使えるようになる予定だ。稼働が開始したら、充電テストも兼ねて再度訪問してみたい。

 

4.いざという時に使える、可搬型の急速充電器

 さらに同社は普通充電器と急速充電器に加えて、可搬型の急速充電器「Roadie」も販売している。これまで可搬型の急速充電器といえば専用トラックの荷台などへの車載が主流だったが、本製品はどんな車にも車載でき、ユニットタイプなので(1つ33.4kgと重量はあるものの)その気になれば大人1人でも運搬・設置できる。

モジュールタイプの可搬型急速充電器(筆者撮影)
モジュールタイプの可搬型急速充電器(筆者撮影)

 蓄電池ユニットの1ユニットあたりの容量は3.5kWhで、合計4ユニット+CHAdeMOユニットの5段に重ねることで最大14kWh/20kW(40A)出力の急速充電器となる。必要な容量に合わせて1段ずつ調整可能であり、基本構成は2段~(20kW出力するには2段以上が必要)としている。想定される主な用途はEVの電欠の救援などで、例えばJAFやロードサービス会社に配備することで、いざという時に付近の充電器まで走行可能な分を急速充電できる。

 

5.実際にRoadieで充電してみる!

 今回は担当者さまのご厚意により、実際にRoadieを使い、事務所のモデルXに対して急速充電を試せることになった。組み立ては非常に簡単で、以下のように各ユニットを縦に重ねるだけで自動的に接続される仕組みだ。

Roadieを組み立てる様子(筆者撮影)
Roadieを組み立てる様子(筆者撮影)

 最後にCHAdeMOユニットを一番上に重ねたら、車の充電ポートに接続する。テスラ車の場合は以下のようにCHAdeMOアダプター経由で接続する必要があるため、もしものときに備えてCHAdeMOアダプターの持ち運びをお勧めしたい。

CHAdeMOアダプターを使って接続(筆者撮影)
CHAdeMOアダプターを使って接続(筆者撮影)

 接続が完了したら充電器本体の「開始」ボタンを押して充電を開始するだけだ。CHAdeMOでの急速充電は輸入車を中心に相性問題が出やすいとされており、テスラのCHAdeMOアダプターでも一部の急速充電器で問題が報告されているため、正常に充電できるか心配していたが...

組み立てたら開始ボタンで充電を開始!(筆者撮影)
組み立てたら開始ボタンで充電を開始!(筆者撮影)

 充電状態を示すインジケーターが緑色に点灯し、無事に充電が開始した!

無事にインジケーターが緑色に点灯し、充電が開始!(筆者撮影)
無事にインジケーターが緑色に点灯し、充電が開始!(筆者撮影)

 事務所のモデルX 75Dの場合、充電速度は以下の通り約11kWと定格出力より低めとなるが、これは旧型モデルXの75D(スタンダードレンジ)というグレード特有の問題だ。100kWh電池を搭載したロングレンジなら電圧は400V弱となるが、75kWh電池を搭載したスタンダードレンジだと300V弱まで下がってしまうため、同じ電流でも出力(kW = 電流×電圧)は低くなってしまう。この問題はテスラスーパーチャージャーを除く、通常のCHAdeMO急速充電器でも同様に発生する。

29分の充電で20%から28%に回復!(Tesla-fiより)
29分の充電で20%から28%に回復!(Tesla-fiより)

 結果的に約29分の充電で8%分、5.5kWhを消費して約5kWhを充電できた。約1割の充電損失だが、これは正常な範囲内だ。走行距離に換算するとkWhあたり5kmなら25km走行分だが、仮に電圧が高く電費が良いモデル3のようなEVであれば、20分で40km走行分程度が充電できる計算だ。いずれにしても電欠時に救援を受けた場合、これだけあれば近くの充電器までは十分に走行できるだろう。

 現時点では電欠の救援はレッカー移動が主な対応となっているが、今後EVの普及と合わせてこのような可搬型の急速充電器の配備が進めば、より柔軟な対応が期待できるかもしれない。お陰でとても有意義な検証ができ、改めてこの場を借りて担当者さまにお礼申し上げたい。

コメント欄を読み込み中