【日本国内のEV販売】2022年4月のEVシェアは1.7%、前年比で2倍に!

記事公開:2022/5/29

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皆さんおはようございます、八重さくらです!
本日は2022年4月の国内のEV販売状況を見てみましょう!

※この記事は2022年4月の情報です。最新情報はこちらから:EV販売台数の記事一覧

2022年4月の日本国内の軽自動車を含む乗用車全体の販売台数は244,292台で、2021年4月から約15%の減少。多くの自動車メーカーが半導体不足やCOVID、ウクライナ問題などによる供給の制約により原産や生産停止に追い込まれており、今後もしばらく継続するとみられている。

一方でEV(BEV+PHEV)の販売台数は4,033台で前年比1.7倍に成長、シェアは1.7%(BEVは0.7%)で前年比2倍に成長。4月としては販売台数・シェアともに2018年以降の最高記録を更新した。

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日本国内の燃料別販売台数(2022年4月)(クリックで拡大)

比率はBEVよりPHEVのほうが多いものの、前年比ではPHEVが+42%の成長に対しBEVは+152%(2.5倍以上)と海外と同様の傾向が見られる。BEVの成長率が高い理由としては、PHEVよりもBEVの車種が増えている点が考えられる。

一方でFCVはわずか82台(全てトヨタ車)で前年比では-64%と大きく減少、一向に整備が進まないインフラに加えて1車種のみの孤軍奮闘状態では、近い将来の大きな増加は困難だろう。

HVを加えたすべての電動車としては41%と世界でも優秀な部類に入るが、世界ではHVも含めてICE車(内燃機関車)全体を規制対象とする動きが広がっており、ガラパゴス化が進んでいると言える。

・BEV:1,764台(乗用車全体の0.72%、前年比+152.36%)
・PHEV:2,269台(乗用車全体の0.93%、前年比+41.99%)
・プラグイン車合計:4,033台(乗用車全体の1.65%、前年比+75.58%)

・FCV:82台(乗用車全体の0.03%、前年比-63.39%)
・ZEV合計:4,115台(乗用車全体の1.68%、前年比+63.23%)

・HV:100,110台(乗用車全体の40.98%、前年比-2.10%)
・電動車合計:104,225台(乗用車全体の42.66%、前年比 -0.53%)

【本ページに掲載している販売数データのソースについて】
・登録車:一般社団法人日本自動車販売協会連合会(JADA)の燃料別販売台数(乗用車)より
・軽自動車:一般社団法人 全国軽自動車協会連合会のメディア向け資料より
※シェアは上記の販売台数より独自集計
※特筆なき場合、EVはBEV(バッテリー式の完全電気自動車)とPHEV(プラグインハイブリッド車)を両方を指す

販売台数とシェアの推移

EVの販売台数は4月としては統計データが存在する2018年以降で最も多い4,033台を達成、3月に続いて最多記録を更新。昨年の4月が 2,297台だったことを考えると非常に大きな成長であり、後述の通り主に三菱のPHEVや日産のBEV、さらに輸入車による増加と考えられる。

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日本国内のEV(BEV+PHEV)販売数(クリックで拡大)

乗用車全体の減少とEVの増加によりシェアは1.7%に達し、販売台数を上回る2倍以上の成長を達成。この傾向は数カ月間続いており、シェアは2021年6月から11ヶ月連続で2018年以降の最多を更新している。

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日本国内のEV(BEV+PHEV)シェア(クリックで拡大)

2022年1月からの累計では22,892台に達し、シェアは約1.9%に。今年は国内の乗用車販売の35%(2021年実績)を占める軽自動車の新型EVとなる日産サクラや三菱eKクロスEV、国産の登録車としてはトヨタbZ4Xやスバルソルテラ、輸入車ではヒョンデIONIQ5やテスラモデルYなどの強力な車種の発売が予定されており、年末に向けて累計で2.0%、単月では2.5%以上まで上昇しても不思議ではないだろう。

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日本国内のEV(BEV+PHEV)販売数とシェアの推移(クリックで拡大)

メーカーと車種

2022年4月のトップメーカーは三菱で、1,066台(すべてPHEV)と前年の539台から約2倍に増加。まだ4月の車種別台数は公開されていないものの、3月に続きアウトランダーとエクリプスクロスがそれぞれ約半分を占めていると思われる。

2位は3月にアリアを発売した日産で、1,002台(すべてBEV)と前年の310台から3倍以上に増加。こちらも車種別の台数は不明ながら、3月に続いて大半がリーフで少数のアリアが加わっていると思われる。

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メーカー別EV(BEV+PHEV)販売台数(2022年4月)(クリックで拡大)

輸入車についてはメーカー別の内訳は不明ながら3位はおそらくトヨタの851台(BEVは216台、うちC+Podが154台)で、前年の759台から若干の減少。車種別の台数は不明ながらPHEVについてはRAV4PHEVとプリウスPHEVが大半で、BEVはC+Podが大半で少数のレクサスUX300が加わっているものと思われる。

なお4月は輸入車全体の「その他」は20台のみであり、輸入車のうちテスラは数台以下と推測される。

おわりに

日本は世界を代表する自動車大国にもかかわらず、これまで欧米中などのようにEV(BEV+PHEV)の販売台数やシェアを定期的に発表するメディアは(筆者の知る限り)存在しなかった。既知の通り政府は2050年のカーボンニュートラル、2030年に2013年比で最低46%(できれば50%)の排出量削減という目標を発表しており、脱炭素に大きく舵を切っている。

ところが国内自動車メーカーの消極的なEV移行の姿勢により、海外からは「脱炭素に消極的」という不名誉なレッテルを貼られている。移行が遅れれば「販売の約8割が海外向け」という自動車において売るものがなくなり、基幹産業である自動車産業全体が衰退する可能性も指摘されている。

このような状況を改善するために、まずは正しい販売状況を把握・分析する必要がある。エコレボでは今後毎月国内のEVの販売数を集計し、記事を公開する予定だ。

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