【基礎から】後悔しない電気自動車の選び方【ちょっとマニアックな情報まで】

記事作成:2020/6/10 最終更新:2020/12/19

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皆さんおはようございます、八重さくらです!
今回は私の事務所も採用している「電気自動車」の選び方について、オーナー視点で基礎知識から少しマニアックな情報まで徹底解説します!

テスラ

近年少しずつ増えてきた「電気自動車」だが、あなたは「電気自動車」と聞いてなにを連想するだろうか?

電気自動車が登場した2010年頃は「航続距離が短い」「急速充電が遅い」「バッテリーがすぐ劣化する」などの課題があったものの、それは昔のお話し。ここ数年の技術革新により状況は大きく変わり、2020年現在はすでに多くの「コストパフォマンスと実用性に富んだ車種」が発売されていて、今後も続々と増える予定だ。

電気自動車は環境にやさしいだけでなく「高い安全性」や「振動や騒音が少なく運転しやすい」点、さらに「寿命が長くメンテナンスが楽(=保有コストが低い)」点などが世界中で評価され、すでにノルウェーのように新車販売の約半分が電気自動車という国もある。
 

ノルウェーでの2020年4月の新車販売におけるEVシェア

※参考:ヨーロッパで電気自動車の売上とシェアが拡大中【最新情報/2020年3〜4月期】(EVsmartBlog)
 

しかし電気自動車を購入する際はガソリン車とは違った注意点もあり、本記事では電気自動車オーナーの視点で「事前に知っておくべき基礎知識」「選ぶ際のポイント」、さらに次の記事では現在国内で発売中の車種とこれから発売される車種を解説する。

買ってから後悔しないためにも、はじめて電気自動車を購入する方には最後までご覧いただきたい。

もくじ

1.そもそも、電気自動車とは?
1-1.電気自動車の定義
1-2.電気自動車のよくある勘違い

2.ガソリン車とは異なるポイントは?
2-1.バッテリーの寿命
2-2.充電時間
2-3.電費(燃費)
2-4.安全性
2-5.自動運転・運転支援

1.そもそも、電気自動車とは?

1-1.電気自動車の定義

バッテリーとモーターを搭載して電気で走る自動車は電気自動車(BEV)以外にもいくつかの種類があり、主な種類と特徴は以下の通りだ。


バッテリーとモーターで走る車
バッテリーとモーターを使って走る車
 

【電気自動車/BEV】

エンジンを搭載しない純粋なバッテリー式電気自動車。
ガソリンは一切使わず、コンセントや急速充電器から充電した電気だけでモーターを回して走る。

本記事では原則として電気自動車=バッテリー式電気自動車=BEVを指す。

燃料:電気(充電)
走行:モーター
代表車種:日産リーフ、テスラ全般、BMW i3など

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日産リーフ(日産公式サイトより)
 

【ハイブリット/HV】

エンジンとモーターを両方搭載するが、ガソリンを補給してエンジンで走り、充電はできない。

エンジンと(エンジンの動力から発電した電気を使った)モーターの動力を組み合わせる方式が一般的だが、日産のe-Powerのようにエンジンを発電専用として使い、モーターのみで走行する車種もある。

燃料:ガソリン(給油)
走行:エンジン+モーター
代表車種:トヨタプリウス、日産ノートe-Powerなど

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トヨタプリウス(トヨタ公式サイトより)
 

【プラグインハイブリッド/PHV/PHEV】

基本はハイブリット車と同じ仕組みだが、ハイブリット車より大きなバッテリーを搭載して外部から充電でき、ある程度の距離はバッテリーとモーターのみで走行することも出来る。

主にバッテリーとモーターで走り、補助用の発電エンジン(レンジエクステンダー=RE)を搭載したBMW i3 REも電気自動車ではなくプラグインハイブリッドに分類される。

燃料:ガソリン(給油)+電気(充電)
走行:エンジン+モーター
代表車種:トヨタプリウスPHV、三菱アウトランダーPHEV、BMW i3 REなど

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トヨタプリウスPHV(トヨタ公式サイトより)
 

【燃料電池/FCV】

水素ステーションから水素を補充して燃料電池を使い水素から電気に変換し、ハイブリット車と同程度のバッテリーとモーターで走行する。

燃料:水素(補充)
走行:モーター
代表車種:トヨタMIRAI、ホンダクラリティ

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トヨタMIRAI(公式サイトより)
 

一部のメディアや自動車メーカーなどはハイブリットやプラグインハイブリッドを電気自動車(BEV)と説明している場合もあるが、厳密にはこれは間違いである。
 

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並べてみると電気自動車のシンプルさがよく分かりますね!

1-2.電気自動車のよくある勘違い

近年ではテレビやネットだけでなく実際に街なかでも電気自動車を見かけることが多くなり、電気自動車の特徴について「それとなく」理解している人が増えてきた。

しかし電気自動車には使ってみないと(あるいは使ってみても)わからない特徴も多く、結果的に満足感が得られないケースも散見されるため、選ぶ際に注意が必要な点をまとめる。
 

【本体価格 ≠ 車の値段】

電気自動車の値段を語る上で、一番最初に支払う車の本体価格をガソリン車と比べるのは間違いである。なぜなら、

  • ガソリン車初期費用が安く維持費が高い
  • 電気自動車初期費用が高く維持費が安い

という違いがあるからだ。
 

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ガソリン車と電気自動車のコストの違い
 

電気自動車の初期費用が高くなる理由はおもにバッテリーの価格であるが、その代わりに以下のような多くの維持費が削減できる。

  • 国や自治体から様々な減税や補助金を受けられる
  • 電気の方がガソリンより燃料代が安い
  • オイル/プラグ交換のようなエンジンやミッションの整備が不要
  • 回生ブレーキによりブレーキパッドの交換が実質不要
  • バッテリー温度を管理していればエンジン車より長寿命

このような違いによって削減できる維持費により、ざっくりガソリン車より3割増の本体価格であれば、最終的には同じ負担になると考えれば良いだろう。もちろん住んでいる自治体や使い方によっても多少変わってくるが、例えば650万のEVは500万のガソリン車と同じ負担で保有できることになる。
 

【急速充電は緊急用】

はじめて電気自動車を使う場合「急速充電器で充電して走る」と思いがちだが、これは間違いである。
ガソリン車の場合はガソリンスタンドでしか給油できないが、電気自動車はあくまでも自宅や目的地での普通充電が基本であり、急速充電は遠出するときなど航続距離が足りない場合の緊急用だ。

  • 普通充電:自宅充電や目的地充電など、充電の基本
  • 急速充電:航続距離が足りない場合などの緊急用

もし自宅の駐車場で充電できない場合は日常的に公共の急速充電器を使用しなければならないため、筆者は自宅充電ができない環境での電気自動車の購入はオススメしない

ただしマンションなど集合住宅でも充電器を設置できた事例はあり、諦めずに以下のサイトなどを参考に挑戦するのも良いだろう。

※参考:集合住宅・マンションに電気自動車用充電器を設置する 【第1回】理事会を通す 編
 

【充電時間はゼロ】

ガソリンの給油と比較して電気自動車は「5分で満充電できない」というのは誤った考え方である。

給油するときは車で待たなければならないが、普通充電にしても急速充電にしても充電が終わるまでプラグを握ったまま待つ必要はない。例えば「寝ている間」「食事している間」「買い物している間」「遊んでいる間」「休憩している間」など、車が停まっている全ての時間が充電に使えるのだ。

もっと正確に言うならば充電時間はコンセント・充電器を挿す「15秒」のみであり、極端に遠出が多かったり休憩なしで長時間運転する人ではない限り、給油時間よりも充電時間の方が短いのである。

私の事務所でも実際、充電器を設置してからはほぼ普通充電だけで運用している。そして現在まで、充電に使った時間は「ほぼゼロ」であった。

ただし充電時間をゼロにするには一つ注意点があり、遠出する際に急速充電時間が休憩時間よりも多くなってしまう場合は難しくなる。このため、遠出が多い場合は特に以下の点に注意して車種を選ぼう。

  • 休憩の回数が少ない場合は航続距離が長い車種を選ぶ
  • 休憩の時間が短い場合は急速充電速度が速い車種を選ぶ

また、次の記事では実際の航続距離や充電速度を比較するので、参考にしていただきたい。
 

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急速充電はあくまで緊急用であり、基本は普通充電。そして充電時間は15秒。

これは覚えておきましょう!

2.ガソリン車とは異なるポイントは?

2-1.バッテリーの寿命

電気自動車を買うときに一番気になるのが、バッテリーの寿命だろう。
バッテリーが劣化すれば航続距離が短くなり、もし交換が必要になればそれなりの費用がかかるからだ。

なるべくバッテリーの交換は避けて長く乗りたいと思うのが普通だが、まずは「なにがバッテリーの寿命を左右するのか?」を確認してみよう。
 

【種類・構造】

電気自動車に使われているリチウムイオン電池は、内部の構造や使う材料によって多くの種類がある。

自動車メーカーや電池メーカーが日々新しい製品を開発しており、例えば三菱自動車が採用している東芝の「SCiB」は平均的なリチウムイオン電池の寿命(数千サイクル)と比較して10倍(4万サイクル)以上という長寿命を実現している。

また、テスラは2020年の後半に100万マイル(約160km)走行可能な新しいリチウムイオン電池を搭載した車を発売するという。

ただし後述の「使用方法」や「温度管理」さえ間違えなければ、現在市販されている電気自動車に搭載された平均的なリチウムイオン電池でもガソリン車以上の寿命を持っている。
 

【容量】

意外に思われるかもしれないが、電池の容量と寿命は密接に関係している。
電池は充電と放電を繰り返すことで容量が減っていくが、例えば同じ1500回の充放電に耐える電池、かつ同じ電費の車であれば、電池の寿命は電池の容量に比例して長くなる

30kWhの場合:30kWh x 1,500回 x 5km/kWh = 225,000kmの寿命
60kWhの場合:60kWh x 1,500回 x 5km/kWh = 450,000kmの寿命
 

容量と寿命の関係
容量と寿命の関係


これに加えて急速充電時の電池への負荷が分散されることにより、急速充電による劣化も緩和される。
 

【使用方法】

以下のような使い方はバッテリーに負担がかかり寿命が縮む原因となるため、なるべく避けるべきだ。

  • いつも0%まで使う、その状態で放置する
  • いつも100%まで充電する、その状態で放置する
  • いつも急速充電で充電する

もちろん「たまに」「数回程度」その様な状況になっても直ちに劣化するわけではないので、必要以上に心配する必要はない。
 

【温度管理】

極端な高温や低温で使用すると劣化が進む原因になり、例えば温度管理していない場合、真夏の炎天下に急速充電や激しい走行を繰り返すとバッテリーの温度が上がり、寿命が縮む可能性がある。

この対策として近年発売された多くの電気自動車は温度管理しているので、購入する際は確認しよう。

 

なお「温度管理」についてはいくつかの方法があり、方法によってコストや冷却性能に特徴が異なる。

【自然冷却】

車が走行するときの風を利用して自然冷却する方式。最も低コストで済むが冷却性能が低く、冷却能力が追いつかなくなると充電速度が遅くなったり、バッテリーの寿命が縮む可能性がある。
 

【液冷式】

バッテリーの周りに冷却液を流し、バッテリーを冷却/加熱する方式。製造コストが上がるが、代わりに強力に冷却することが可能になり、充電速度が遅くなったりバッテリーの寿命が縮む可能性は低くなる。
 

【空冷式】

バッテリーの周りに冷気を流し、バッテリーを冷却する方式。水冷よりも製造コストを押さえつつ、ある程度の冷却能力を確保することができる。
 

温度管理の方式問特徴
温度管理の方式と特徴


それでは、仮にしっかり温度管理した場合は具体的にどの程度劣化するのだろうか。

市販されている電気自動車のバッテリー劣化の統計は多くないが、例えばTroyTeslike氏が液冷式の温度管理を採用しているテスラ車の統計情報を公開している。
 

テスラ車の平均劣化
テスラ車の平均劣化(TroyTeslike氏の統計より)

※参考:TroyTeslike氏のTesla Range Table


この統計にある走行距離とバッテリー劣化の平均値を見ると、約20万マイル(約32万km)走行した時点でも90%近くの容量が残っていることがわかる。

例えガソリン車であっても数十万km走行すれば燃費が悪化することを考えると、「適切な電池と温度管理方法を搭載した車を正しい使い方で使う」ことができれば心配ないと言えるだろう。
 

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容量や温度管理はコストとのトレードオフ・・・

予算的に許すのであれば、航続距離が長い液冷式の車種が理想ですね!

2-2.充電時間

充電にかかる時間は車種やバッテリー容量、および充電器の種類によって異なるため、それぞれの使い方や環境に合ったものを選択すると良いだろう。
 

【普通充電】

自宅や目的地での充電は基本的に200Vコンセント(普通充電器)から普通充電することになる。

一般的な200Vコンセントや普通充電器は概ね3kW程度が主流であり、例えばバッテリー容量62kWhの日産リーフe+を0%から100%まで満充電するには20時間以上、75kWhのテスラモデル3ロングレンジであれば25時間程度必要となる。

一方でメーカーによっては充電速度が速い専用充電器が発売されており、工事して取り付けることで日産リーフであれば最大6kW、テスラであれば最大9.6kW(現行モデル)で充電することが可能だ。
専用充電器を使用する場合、いずれの車種でも一晩程度で100%までの充電が完了する。
 

車種・充電速度別の充電時間比較
車種・充電速度別の充電時間比較


現在販売されている電気自動車の電費は概ね5km~7km/kWhなので、3kWでも1時間で15km走行分以上は充電可能であり、一晩(8時間)あれば120km分充電できることになる。もし毎日100km以上走る場合など、自宅で短時間で充電したい場合は専用充電器を検討すると良いだろう。
 

【急速充電】

急速充電の速度は車種によってまちまちで、国内で販売されているほとんどの電気自動車は50kWまでの対応だが、日産リーフe+であれば国内メーカーで唯一最大70kWで充電することが可能だ。

ただし2020年現在、国内に設置されている公共の「CHAdeMO」規格の急速充電器は20kW~50kWが主流であり、70kWに対応した充電器は主に日産ディーラーの数十箇所に限られる。

テスラの場合は「スーパーチャージャー(SC)」と呼ばれる専用の充電器を整備していて、海外では250kWに対応した第3世代のSCの設置が進んでいるが、国内に設置されている第2世代では最大150kWとなり全国24箇所(2020年5月現在)に限られるのが難点だ。

ただしテスラSCについては1箇所に最大8基の充電器が設置されている場所もあり、変換アダプターによりCHAdeMO規格の充電器も(最大50kWだが)使うことができるため、空いている場所を探し回ったり充電待ちする事は少ない
 

10分の急速充電で走行できる距離
10分の急速充電で走行できる距離比較


もし一充電の航続距離では足りない距離を頻繁に運転する場合は上記の違いを考慮すると良いだろう。

また、国内メーカー・テスラどちらにも共通して言えることは、「現在発展中であり、使っている間にどんどん便利になる」という点だ。これは年々数が減る一方のガソリンスタンドとは対照的であり、電気自動車を所持する楽しみの一つである。
 

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頻繁に遠出する人にとっては、より強力で使いやすい急速充電網の整備が待たれます。

2-3.電費(燃費)

【単位】

電気自動車の燃費は一般的に「電費」と呼ばれ、以下のように表す。

  • ○km/kWh:1kWhの電力で走れる距離
  • ○Wh/km:1kmの走行で消費する電力

ここで登場する「kWh」や「Wh」は電力の単位で、ガソリン車でいう「L」のような意味合いとなる。
例えば100Wを1時間使ったときに消費する電力を100Whと呼び、1kWhは1,000Whと同じだ。
 

【エコドライブ】

電気自動車の場合はトランスミッションがなく、モーターの特性上出力と消費電力が等しくなるため、急加速しても電費はほぼ悪化しない

ただし減速する際のエネルギーで発電する「回生ブレーキ」は電力を100%バッテリーに戻せるわけではなく、必要以上に加速すると電費の悪化を招くので注意が必要だ。

電気自動車でもアクセルワークによって電費を良くすることは可能で、一定の速度に加速した後に惰性で走る「コースティング」と呼ばれる方法で大幅に改善が可能だ。

※参考サイト:電気自動車の燃費=「電費」とは? を徹底解説!

【エアコン】

冷房は大きく電費に影響しないが、エンジンの排熱を使えないため暖房は電費に影響が出やすく、一般的に暖房を使用すると航続距離が3割ほど減るとされている。

自宅充電ができる場合はコンセントに繋いだ状態で出かける前に予め車内を暖めておくことで電費の悪化を減らせるほか、寒冷地の場合は暖房効率の良い「ヒートポンプエアコン」が搭載された車種を選択するのも一つの手だ。

例えばヒートポンプエアコンを搭載されている車種である三菱アイ・ミーブやテスラ モデル3での報告によると、それぞれ消費電力が1/2、1/3まで減るとされている。

※参考(三菱アイ・ミーブ):マイナス10℃で暖房はどうなる?【追記あり】
※参考(テスラモデル3):Tesla’s Model 3 Heat Pump is a game changer compared to its old system

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まずはWhやkWhという単位に慣れると良さそうです。
ガソリン車とはエコドライブのポイントが異なるのも要注意ですね!

2-4.安全性

安全性は電気自動車に限ったことではないものの、電気自動車ならではな要素もいくつか存在する。
 

【低重心】

現在市販されているほとんどの乗用車は重いバッテリーを床下に敷き詰めてあり、これにより極めて低重心で安定した走りが実現できている。
また、車種によってはモーターや関連機器も含めて全て足元の高さに装着されており、さらに安定性を増したり、フロントトランクにより収納力を上げる工夫がなされている。
 

【トラクションコントロール】

近年発売された多くの車は空転や横滑り、スピンなどを防止するためのトラクションコントロールを行っている。電気自動車の場合はブレーキだけでなくモーターの出力を瞬時にコントロールできるため、ガソリン車と比べて、より強力なトラクションコントロールが可能となる。

※参考:テスラ モデル3のウェット旋回ブレーキテスト
※参考:EVは実は雪に強い。日産リーフNISMO雪上走行インプレ
 

【衝突安全性】

電気自動車に使われるバッテリーは多くのエネルギーを持っており、損傷を受ければガソリンと同様に爆発・炎上する危険性がある。そのリスクを少しでも減らすためにバッテリーの周囲は極めて丈夫に作られており、特に側面衝突の安全性が高くなっている。

また、モーターやその関連機器はエンジンやトランスミッションよりも小型化が可能で、一部の車種では配置を工夫することで衝撃吸収する範囲を広げたり、正面衝突時に室内へ飛び出してくる危険性を下げることが可能となっている。
 

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NHTSA(米国運輸省道路交通安全局)の試験において、世界TOP3を独占したテスラ車
 


テスラモデル3が正面衝突の衝撃を吸収する様子
 

※参考:Model 3はNHTSAの安全性試験でこれまでにテストされたあらゆる自動車の中で負傷する可能性が最も低い車と認定されました

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もちろん安全運転が大前提ですが、これなら「いざ」というときも安心ですね!

2-5.自動運転・運転支援

近年発売された多くの車には運転支援や自動運転技術が搭載されているが、電気自動車においては有利な点が多く存在する。
 

【制御しやすいモーター出力】

トラクションコントロールでも触れたとおりモーターの出力はエンジンと比べて制御が容易で、アクセル・回生ブレーキ(モーターで発電することでブレーキをかける機能)の制御において、運転支援機能や自動運転機能と非常に相性が良い。

日産のプロパイロットやテスラのオートパイロットをはじめ、安定した制御でスムーズな加減速が実現できている。
 

【ソフトウェアアップデート】

エンジンが存在しないため、スマホのような「完全な電子機器」と同じ考え方で設計することが可能となり、スマホと同じようにソフトウェアのアップデートにより不具合を修正したり新しい機能を追加することが容易となる。

例えばテスラ車の場合は完全自動運転をオプションで提供しており、毎月のように提供されるソフトウェアアップデートにより自動運転が上手くなったり、信号で停止するなどの新しい機能が追加される。

※関連記事:10年後にトヨタは無くなる?テスラに学ぶ「自動運転」と「電動化」の重要性
 

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アップデートでどんどん上手くなるなんて、夢があって素敵ですね!
次回は2020年~2021年に国内で買えるすべての電気自動車を徹底比較します!!

※次回:【総まとめ】2020年~2021年に買える電気自動車を徹底比較

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